column コラム

示談後に訴訟と強制執行が必要となった事例

2022/10/21

事故類型

1 四輪車vs自転車
2 飛び出し
3 物損
4 強制執行


事案概要

小学生の乗る自転車が、自動車の進路に飛び出し、依頼者の自動車の側面に衝突した、自転車による飛び出し事故です。幸い小学生には怪我はありませんでしたが、自動車には修理が必要な傷が残りました。

事故後、依頼者の保険会社と、小学生の親権者との間で、自動車の修理費について、示談が成立しました。しかし、親権者は、期限までに、約束の示談金を支払わず、保険会社が何度催促しても、支払いがなかったため、弁護士案件となりました。


解決方法

まず、弁護士名で、親権者に対し、支払いを促す内容証明郵便を送りました。しかし、それでも、連絡も支払いもなかったため、やむを得ず、訴訟を提起しました。

訴訟が始まっても、親権者は、法廷に現れませんでした。(なお、親権者は、内容証明郵便も、訴状と呼出状も、受領はしていました。)

そのため、欠席判決が言い渡され、その後、判決書に基づき、強制執行を行いました。強制執行は、親権者の職業等を検討した結果、動産執行を選択しました。


結果

執行官と一緒に親権者の自宅に行ったところ、親権者から、これまでの事情をいろいろと聞くことができました。

そこには、酌むべき事情もあり、また、今後の支払いについて、具体的かつ現実的な約束を取り付けることができたため、動産執行は、一時、中止にしました。

その後、約束通り、支払いがあったため、動産執行は取り下げて、事件は終了しました。


弁護士より一言

示談が成立しても、その示談の約束が、守られないことがあります。支払義務者が保険に加入していない場合に、まれに、このようなことが起こります。そのような場合には、訴訟の提起と、強制執行が必要になってしまいますが、時間と費用がかかります。

このような強制執行事件についても、弁護士費用特約は、対応が可能ですので、万一、このような示談後のトラブルが生じた場合には、ご加入の保険会社又は直接弁護士にご相談下さい。

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