人身事故では、治療が終了すると(後遺障害がある事案では、後遺障害等級認定手続きが終了すると)、
加害者側保険会社が治療費を支払っていた場合は、同社から示談案が送られてきます。
示談案のチェックポイント
1.適切な後遺障害等級が認定されているか(高次脳機能障害等の認定もれがないか等)
2.賠償費目にもれがないか(休業損害、付添費等の計上もれがないか等)
3.過失割合が納得できるものであるか
4.慰謝料等の算定基準が適切か
被害者が、自分だけで上記チェックポイントを判断するのは困難なことが多いため、示談案の内容が適切かどうか、
示談締結前に弁護士とご相談されることをお勧めします。
示談案について
保険会社が最初に提示してくる賠償基準について
交通事故の示談交渉において、加害者側保険会社が最初に提示してくる金額は、自賠責基準または自社基準で計算した金額です。
しかし、賠償金の基準には、そのほかにも弁護士基準(裁判基準)もあります。被害者にとって
一番有利となる基準で交渉を行うことで、受け取れる賠償が大幅に増額する可能性があります。
損害賠償の3つの基準はこちらのページをご覧下さい。
示談成立となった場合は、示談書に署名・捺印後、保険会社に返送します。その後、数日から数週間のうちに、
示談金の支払いが行われます。
示談が不成立となった場合
示談交渉を行っても、上記示談案のチェックポイントのいずれかについて、保険会社との間で、最後まで主張の差が
埋まらないこともあります。そのような場合は、民事訴訟を提起し、その埋まらなかった争点について、裁判所の判断
を仰ぐことにより、事件の解決をめざします。
訴訟になった場合、裁判所に訴訟を提起してから、判決または和解で解決するまでに、約半年から1年程度時間が
かかります。弁護士が代理人に就任している場合は、本人が裁判所に出向くことはほとんどありません。過失割合に
争いがある事件で、1回程度出向く必要があるかどうか程度です。
示談交渉の際に、被害者側が弁護士基準(裁判基準)で交渉していて加害者側が保険会社基準で交渉していた
場合、訴訟では、被害者に有利な内容で解決が得られることがほとんどです。