column コラム

車両の「評価損」が認められた事例

2022/10/18

事故類型

1 四輪車vs四輪車
2 追突
3 物損、人損
4 車両評価損


事案概要

赤信号で停車中の自動車の後部に、後続車が追突した、典型的な追突事故です。依頼者の車両の後部は大破し、フレームも歪み、修理費用は、約60万円かかりました。

被害車両は、登録から2年のステーションワゴン車でした。業者からは、「事故車扱いになるので、今後、下取り価格は、20~30万円は下がる。」と言われました。

しかし、加害者側保険会社の対応は、「新規登録から2年を経過しており評価損のお支払いを認容することはできないと弊社は判断いたしました。」というものでした。


解決方法

日本自動車査定協会による「事故減価額証明書」を取り付けた上で、訴訟を提起しました。

査定協会(愛知県支所)のHPはこちら


結果

裁判所の判断は、「評価損、有り」、との判断でした。しかし、その具体的な金額については、修理費の25%、という判断でした。


弁護士より一言

そもそも、「評価損が発生しているか、否か」、という争点に関しては、裁判所は、「事故減価額証明書」の存在に、価値を認めることが多くあります。

このため、同証明書の取得は、有用です。しかし、実際の金額を算出する場面では、残念ながら、裁判所は、同証明書上の金額や、業者の査定額(減価額)を、そのまま認定することは、多くはありません。

裁判例では、修理費の〇〇%(10%~30%程度)という算定方法で、評価損の金額を認定する裁判例が、主流です。このため、現状では、事故減価額証明書や、業者の査定書を取得し、裁判まで起こしても、被害の完全なる回復は、難しいというのが、率直なところです。

しかし、加害者側保険会社は、交渉では、登録数か月までの新車でない限り、評価損を認めることが、ほとんどないので、登録から数年が経った車両で、評価損の賠償を受けるためには、訴訟の提起が必要、というのが実態です。

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